妹は、子宮頸がんを患っていた。
治療の選択肢を探す中で出会ったのが、マルチ商法企業ウィンメディックスの関係者だった。「がんに効く」と謳われた未承認の製品と、自らを「がんアドバイザー」と名乗る人物による食事指導。玄米食からケトジェニックダイエットへの転換など、次々と勧められる方法を、妹は信じ続けた。
信じ続けた先にあったもの
2020年5月、がんに関するセミナーへの参加をきっかけに始まった関わりは、2021年6月、妹が亡くなるまで続いた。この一年余りの記録は、通常の商品購入にとどまらず、生き方そのものが搾取の対象になっていく過程を示している。
終末期にも続いた関わり
特に重い事実として語られるのは、終末期を迎えてもなお、事業者との関わりが途切れなかったことだ。最も守られるべき時期に、最も深く搾取され続けたという構図が、この事例の悲劇性を際立たせている。
この記録を残す理由
この体験を公にすることは、簡単なことではない。それでも記録として残すのは、同じような形で「がんに効く」という言葉に希望を託そうとしている人、そしてその家族に、立ち止まって考える機会を届けたいという願いからだ。
がん治療に関わる不安や希望につけ込む勧誘は、マルチ商法の中でも特に深刻な被害を生みます。ご自身やご家族が同様の状況にあると感じた場合は、一人で抱え込まず、消費生活センター(188)や医療機関ネットパトロールなど、リンク集に掲載の窓口へのご相談をお勧めします。