プロフィール

インタビュー相手:40代女性
インタビュー時期:2023.9
マルチ商法との関係:母が現役会員(会員歴:40年程度、エメラルド会員経験あり)
会社:アムウェイ

母がアムウェイを始める

父曰く、私が生まれる少し前からアムウェイを始めたそうです。きっかけは母が仕事をしながら洋裁の学校に行っていて、そこで知り合った同級生に話を聞いたのがきっかけでした。権利収入が得られるとの話や、私が生まれると色々と健康に気を付けたり体に良いものを食べさせたいという思いでハマっていくことになります。

そのときは母がお金の管理をしていたそうで、母も仕事をしていたし団地住まいだったので、父も任せっきりでした。あるとき、父が通帳を見てみると貯金はゼロ。そのときから父がお金を管理するようになったそうです。

私は小学生ぐらいのころからだんだんアトピーがひどくなっていき、皮膚科にも行っていたのですが、ステロイドが処方されると母から「これは塗らないで!」と浄水器の水やサプリメントを飲まされるようになりました。

アムウェイのひどさを知る

私が高校生のころ、家に遊びに来た友達から「アムウェイやってるの?」と少し煙たがられました。友達に話を聞くと、友達の親が以前別の家庭に招待された際、洗剤のすごさをデモンストレーションされ、商品を買わされそうになったとのことでした。事前にアムウェイだと告げずに招待したと聞き、そのとき私はアムウェイに対してマルチだと特に何とも思ってなく過ごしていましたが、そこからアムウェイのひどさを知るようになりました。

家の中はお皿もお鍋も包丁も調味料も洗剤もシャンプーも、とにかくアムウェイ製品だらけです。高校生の時はアトピーも落ち着いたのですが、「それがアムウェイ製品のおかげだ」と母はさらにアムウェイを信じるようになってしまいました。市販のシャンプーや調味料などは使わせてもらえず、高校生の時は「シャンプー何使ってるの?」とよく話題になりますが、私はアムウェイだと言えずに嘘をついていました。

親は何の仕事をしてるの?と聞かれても自分の親がアムウェイをやっているとは言いたくなかったので専業主婦だよと言っていました。ちなみに、母は化粧品や日用品を売る仕事だと言っていました。また、中島薫氏の話や本はよく読んでいました。

成人してから

私がさらに嫌悪感を抱いたのは成人してからでした。母から「私が今やっていることはあなたの将来にも繋がってくるから話を聞いてみない?」と話を聞くことに。権利収入の話や、私や将来生まれてくる子供にもわずかながらお金が入ってくる話などを長々とされました。そのときは母親のためになるならと会員になり、製品だけは買うようにしていました。

そこから徐々にエスカレートしていき、渋谷の本社でのセミナーに連れられて参加したり、他の人の家で開催される料理会に参加させられたりしました。また、私や父に「友達や会社の人を紹介してほしい」と言われますが私も父も断固として拒否。「なんで私がやっていることに協力してくれないの」とキレられました。父も私も、何回も「辞めた方がいい」と説得してきましたが、「私の人生を全否定されたような気持ちになる」と話も聞かず怒っていつも終わります。

そこから今度は「最後でいいからセミナーにきてほしい」と言われ、仕方なく行ってみることに。そのセミナーでは、3組ほどが体験談を話していました。特に印象的だったのは、夫がアンチアムウェイだった夫婦の話です。会員である奥さまが仕組みを説明しても納得しなかったが、奥さまの直属の人の話を聞かせたりやセミナーに参加させたところ、徐々に旦那さんも魅力に気付き、今は普通にアムウェイをして成功し海外旅行に何ヵ所も行っているという話でした。

母は私がこのセミナーに参加することでアムウェイに対する気持ちが変わるのでは?と思ったと思うのですが、私はそのような話を聞いても全く心が動きませんでした。というのも、セミナー会場は100人程入る場所だったのですが、きっとサクラがいるのではないか、というぐらいテレビ通販のようなオーバーリアクションだったため、なんでここで?というようなところでリアクションしているのに違和感を覚えたためです。

母が地元へ移住

私は埼玉に家族3人で住んでいたのですが、ある日突然「生まれ育った地元に移り住みたい。ここは空気も悪いし。」と父に提案するようになりました。ここは憶測ですがアムウェイで夢を書くといい、と言われたのか、よくノートに年収1000万円以上達成・毎月海外旅行に行くなどが書いてあったので、地元でログハウスを建てたいというのも夢の1つだったんだろうなと思います。

父はまだ東京で働いていたし定年まで待ってほしいと言いましたが母は断固拒否。休みの日は展示場に連れていかれたり、パンフレットを渡されたり。父は困惑していたようですが、最後には折れて父の定年前に引っ越すことになりました。私がその事実を知ったのは、引っ越す半年前ほどです。

そこから埼玉の実家を売却し、売ったお金で母の地元に新しく家を建てました。私と父は埼玉のアパートで2人暮らしをすることになりました。売却金額では足りず、新しく家を建てた差額分は全て父が払っています。埼玉のアパート代は私と父で折半していました。母は昔から自分が思ったことをやらないと気が済まず、思った通りにならないとムスッとして怒るような性格なのです。

しかし、この生活から1年たったころ母から「1人で住んでいて寂しい」とよくメールが来るようになりました。自分で地元に住みたい、と私たちを巻き込んでおいてよくそんなことが言えるなと思いました。アムウェイ仲間もいるため、それから月に1度は埼玉のアパートに泊まりにくるようになりました。

花嫁道具の鍋・浄水器

そこから数年たち、父が定年を迎え、私も同じ年に結婚することになったため、私は東京へ、父は母の地元で一緒に住むようになりました。私が結婚した際、花嫁道具としてアムウェイの鍋や浄水器を渡されました。

私は夫には結婚前に、母がアムウェイをやっていることは伝えていて、夫はそれを了承して結婚してくれましたが、夫も昔にアムウェイの無理矢理な勧誘にあったこともありアンチ側の人でした。鍋は良いとして浄水器はその後もお金がかかることを知っていたので、浄水器は付けておらず家の倉庫にしまったままになっています。

母が「浄水器は付けたの?」と私によくメールをしてくるようになりました。付けていないというと、家に押し掛けてきて、夫に「温泉は好き?」と聞きます。夫は好きですと答えると、なぜかそこから浄水器の話に繋げてなんとしてでも付けさせようとしてきます。私たちは拒否し続けました。

あるとき母が夫宛に手紙を送ってきました。偶然にも私がポストの中を見たタイミングだったので、こっそり先に見たところ、そこにはアムウェイの良さや権利収入の良さなどが7、8枚に連なって書かれてありました。その手紙は夫には見せていません。

母が倒れる

そこから数年たち去年、夜に父から「お母さんがくも膜下で倒れた」と連絡がありました。そのあと続けて「実は今、離婚協議中なんだ」と告げられました。私は2度驚きました。離婚協議中だから、何か進展があったら父ではなく私の方に病院から連絡があるから対応してほしいという理由で電話してきたそうです。

くも膜下になった理由はアムウェイの業務停止命令がきっかけです。ニュースになった次の日から母が勧誘した人達からクレームの嵐だったそうでその対応に追われ、倒れたそうです。

後から聞いた話では、父と母は、母の地元で一緒に住むようになってからさらに関係が悪化し、母の方から離婚協議を申し出たそうです。母は弁護士を雇い、父は1人で戦いました。協議の結果、離婚は成立。父も自分の地元で1からやり直そうと家も引っ越しの日も決めたようですが、あるとき父と母の共通の知り合い夫妻と4人で話がしたいと言い出し、共通の知り合いから「お母さんがやっぱり離婚したくないと言っています」と父は言われたよう。

父も訳が分からなくなりましが長い時間話し合い、アムウェイ製品は使っていいけどビジネスは辞めてほしいというのを条件に、再婚しやり直すことに。これらは全て父から聞いた話で母からは一切この話は聞いていません。

そこから今年になって私が出産をし、5ヵ月がたったころ実家に帰省しました。そこでもなるべく電子レンジは使うなとか浄水器を使った方がいいと言われますが全無視です。アムウェイがそうさせてしまったのか母が元々の性格なのか分からなくなるぐらい母のわがまま、勝手な行動で私と父は振り回されています。本当に嫌になります。

現在、母は心療内科に行っています。原因は父のモラハラだそうです。節約しろと言われ、身体のことを気遣ってくれず、アムウェイも出来ないため夢も希望もないと言っています。それなら父の方が母から暴言をはかれているし、同じ思いをしています。今もLINEで父の愚痴が止まりません。なぜ母が離婚したくないと言ったのか謎すぎます。

今思うことは早く父と母が離婚して母と離れたい、LINEや電話もブロックしたいという気持ちでいっぱいです。

追加で伺いました

Q1. お母さまの収入・支出状況は分かりますか?
A. アムウェイによる年収や支出は把握していないのですが、エメラルド会員には過去なったことがあるようです。詳細は把握していませんが、一時的だったようです。月末になると達成できない分は自分で買っていました。父からは毎月生活費として10万円もらっている+年金受給しているにも関わらず、自分の自由なお金としてアムウェイ関連以外も含め15万円ほど使っているようで、参っています(家賃なし、光熱費・食費は父が負担)。

Q2. お母さまはエメラルド会員とのことですが、稼いでいたとしても許せない点などがあれば教えていただきたいです。
A. やはり、アムウェイと言わずに家に招待したり、直属の人の話を聞かされたりという点が許せないです。

Q3. お母さまはアムウェイに何を求めているように思いますか?
A. 自身や家族の健康を保ちたい、私や孫に資産を残したいのだと思います。

Q4. 親族に相談したことはありますか?
A. 私は相談したことがないのですが、父が父の兄弟や母の兄弟に相談したことがあるそうです。父の兄弟は親身になって話を聞いてくれたようですが、母の兄弟は「俺たちに関わらないで、夫婦で解決してくれ」と言われたそうです。

Q5. 消費生活センター、アムウェイのカスタマーサポートなど、第三者機関に相談されたことはありますか?
A. 相談したことはありません。相談しようとしたこともありましたが、どうせ相手にされないだろうと勝手に決めつけて相談しませんでした。

Q6. お母さまがこうなってくれると良い、などはありますか?
A. 出来れば金輪際会いたくないし連絡手段も断ちたいです。しかし、そうなると父の負担がその分大きくなってしまうのが心苦しいので、仕方なく会ったり連絡を取ったりしています。もうアムウェイからきっぱり離れてお金のありがたみをもっと分かってほしいです。ただ、「ゼロで死ね」という本を実家の机の上に常に置いているので本人は直す気はなさそうです。

Q7. アムウェイ社、あるいはネットワークビジネスという仕組みについて何か想うことはありますか?
A. 一部のトップの人が稼げているのに底辺の人が全く稼げていないところで、むしろ借金してまで上を目指そうとしているところが心苦しいです。

Q8. こういうのがあれば良いなどはありますか。
A. アムウェイ2世の方が近くにいないので、悩みを共有したり話ができる環境があれば嬉しいなと思います。1人で抱えていることが辛いので。

※(ライオより)親族がマルチ会員の相談部屋(LINEオープンチャット、匿名参加可)もご用意しております(2023.9.23現在166名参加)


40年という長さは特殊に見えるかもしれませんが、マルチ商法への関与が「一過性のブーム」ではなく生活の一部として固定化してしまうケースは珍しくありません。長期化した被害にどう向き合うかは、当会が重視するテーマの一つです。

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