きっかけは、両親の離婚だった。
高校を中退した妹は、その頃からギャンブルにのめり込むようになった。兄であるAさんが振り返るその歳月は、実に30年に及ぶ。
「病気」だと気づくまでの長い時間
家族は長い間、妹の行動を単なる「だらしなさ」や「意志の弱さ」として捉えていた。ギャンブル依存症という「病気」として認識できるようになるまでに、それだけの時間がかかった。家族という単位だけで問題に向き合うことの難しさが、そこには表れている。
転機になった地元新聞の記事
状況が動き出したのは、地元新聞に掲載されたギャンブル依存症の特集記事がきっかけだった。自分たちの家族に起きていることに名前がついた瞬間、初めて適切な支援先にたどり着く道が見えてきた。
今、できていること
現在、妹は病院への通院を続けながら、スワッグ作りという新しい趣味を見つけ、少しずつギャンブルから距離を置けるようになっている。
この記事が伝えたいこと
Aさんの経験が教えてくれるのは、家族だけで問題を抱え込む限界と、外部の支援体制につながることの重要性だ。そして、当事者や家族に「これは病気であり、恥ずべきことではない」と気づかせるために、マスメディアを通じた発信がいかに大きな役割を果たすか、ということでもある。
マルチ商法とギャンブル依存症は一見別の問題に見えますが、「気づいたときには家族関係が深く傷ついている」「本人だけでなく家族全体が疲弊する」という構造は共通しています。当会がきょうだいの立場からの声を大切にしているのも、同じ理由からです。